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ソユーズ:21日打ち上げ 40年近く死亡事故ゼロ
ソユーズ宇宙船のドッキング訓練を行う野口宇宙飛行士=ロシア・モスクワ近郊のガガーリン宇宙飛行士訓練センターで2009年6月、JAXA提供 宇宙飛行士の野口聡一さん(44)は21日、日本人として19年ぶりにロシアの宇宙船ソユーズに搭乗、バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)から飛び立つ。日本人飛行士のほとんどが宇宙の航行に利用してきた米国のスペースシャトルが来年退役予定のため、当面はソユーズが「宇宙の足」となる。セールスポイントである「ローテク」「安全」「低価格」の実態を追った。【モスクワ大前仁】
◆基幹技術は60年代
「シンプル・イズ・ベスト。宇宙へ行くのに最新技術は必要ない」。3回の宇宙航行経験のある若田光一さん(46)は、ソユーズをこう評する。これまで3回モデルチェンジしたが、基幹技術は1960年代の開発当時のまま。シャトルがグライダーのように滑空して地球へ戻ってくるのに対し、ソユーズはエンジンなどを切り離しカプセルだけで帰還する仕組み。ある飛行士はシャトルをオートマチック車、ソユーズをマニュアル車と比喩(ひゆ)する。
ソユーズは「ローテク」だが、安全性への信頼度は高い。
ロシア連邦宇宙局は67年以来、ソユーズを105回打ち上げている。この間、死亡事故は67年と71年の2回で犠牲者は計4人。40年近く死亡事故は起きていない。一方、米航空宇宙局(NASA)は81年以来、シャトルを129回打ち上げ、86年の打ち上げ失敗で7人、03年の空中分解事故でも7人が死亡した。
ロシア人記者のイーゴリ・リソフさん(43)はソユーズについて「事故が少ないのは綿密に開発されたプログラムのおかげ」と指摘。船体を再利用するシャトルに対し、ソユーズが1回限りの「使い捨て」であることも、事故の少なさにつながっているという。
◆打ち上げ低コスト
打ち上げ費用の差も大きい。シャトルは1回約800億円かかるが、ソユーズは100億~200億円という。ただ、シャトルの最大搭乗人員7人に対し、ソユーズは3人。シャトルには約22トンの運搬能力があるが、ソユーズは基本的に人員しか運ばず、資材運送用には同型の無人船プログレス(運搬能力約2.2トン)が使われる。
NASAは、莫大(ばくだい)な打ち上げ費用を節約するため、来年9月でシャトルを退役させ、16年をめどに、ソユーズ型で有人のカプセル型宇宙船「オリオン」を開発する予定。この間は人とモノの輸送をソユーズとプログレスに依存する。
不安材料もある。03年に最新型が登場して以来、「弾道エントリー」と呼ばれる不安定な状態で大気圏に突入する事態が3回起きているからだ。接続ボルトの不具合などが原因で船体が激しく回転し、通常4G(地球上での重力の4倍)の船内重力が8Gまで上がる現象で、昨年4月には韓国の女性飛行士が身体の異常を訴えた。
ロシアが「40歳」を過ぎたソユーズの運行を続けるのは、後継船を開発していないためだ。88年に「ブラン」の飛行実験を行ったが、ソ連崩壊の混乱で開発は棚上げになった。
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ソユーズ:21日打ち上げ 40年近く死亡事故ゼロ
ソユーズ宇宙船のドッキング訓練を行う野口宇宙飛行士=ロシア・モスクワ近郊のガガーリン宇宙飛行士訓練センターで2009年6月、JAXA提供 宇宙飛行士の野口聡一さん(44)は21日、日本人として19年ぶりにロシアの宇宙船ソユーズに搭乗、バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)から飛び立つ。日本人飛行士のほとんどが宇宙の航行に利用してきた米国のスペースシャトルが来年退役予定のため、当面はソユーズが「宇宙の足」となる。セールスポイントである「ローテク」「安全」「低価格」の実態を追った。【モスクワ大前仁】
◆基幹技術は60年代
「シンプル・イズ・ベスト。宇宙へ行くのに最新技術は必要ない」。3回の宇宙航行経験のある若田光一さん(46)は、ソユーズをこう評する。これまで3回モデルチェンジしたが、基幹技術は1960年代の開発当時のまま。シャトルがグライダーのように滑空して地球へ戻ってくるのに対し、ソユーズはエンジンなどを切り離しカプセルだけで帰還する仕組み。ある飛行士はシャトルをオートマチック車、ソユーズをマニュアル車と比喩(ひゆ)する。
ソユーズは「ローテク」だが、安全性への信頼度は高い。
ロシア連邦宇宙局は67年以来、ソユーズを105回打ち上げている。この間、死亡事故は67年と71年の2回で犠牲者は計4人。40年近く死亡事故は起きていない。一方、米航空宇宙局(NASA)は81年以来、シャトルを129回打ち上げ、86年の打ち上げ失敗で7人、03年の空中分解事故でも7人が死亡した。
ロシア人記者のイーゴリ・リソフさん(43)はソユーズについて「事故が少ないのは綿密に開発されたプログラムのおかげ」と指摘。船体を再利用するシャトルに対し、ソユーズが1回限りの「使い捨て」であることも、事故の少なさにつながっているという。
◆打ち上げ低コスト
打ち上げ費用の差も大きい。シャトルは1回約800億円かかるが、ソユーズは100億~200億円という。ただ、シャトルの最大搭乗人員7人に対し、ソユーズは3人。シャトルには約22トンの運搬能力があるが、ソユーズは基本的に人員しか運ばず、資材運送用には同型の無人船プログレス(運搬能力約2.2トン)が使われる。
NASAは、莫大(ばくだい)な打ち上げ費用を節約するため、来年9月でシャトルを退役させ、16年をめどに、ソユーズ型で有人のカプセル型宇宙船「オリオン」を開発する予定。この間は人とモノの輸送をソユーズとプログレスに依存する。
不安材料もある。03年に最新型が登場して以来、「弾道エントリー」と呼ばれる不安定な状態で大気圏に突入する事態が3回起きているからだ。接続ボルトの不具合などが原因で船体が激しく回転し、通常4G(地球上での重力の4倍)の船内重力が8Gまで上がる現象で、昨年4月には韓国の女性飛行士が身体の異常を訴えた。
ロシアが「40歳」を過ぎたソユーズの運行を続けるのは、後継船を開発していないためだ。88年に「ブラン」の飛行実験を行ったが、ソ連崩壊の混乱で開発は棚上げになった。